空を飛ぶのは楽しい!!
自分の手で飛んでみたい!
空を飛ぶのは人類の夢!
など、世の中には飛行機や空を飛ぶことに関するたくさんの名言があります!
今回はいざ飛行訓練を始めたとき、その先にあることについてお話ししていきます!
パイロットに求められる準備
求められる知識は様々ですが
今回は飛行前の準備(プリブリーフィング)に焦点を当てて見ていきたいと思います!!
飛行前の準備は航空法によって定められています!
この準備を怠った場合には
法律で50万円以下の罰金が科されることになります。
これはエアラインパイロット、プライベートパイロットなど関係なく、すべてのパイロットはこれを行わなければなりません。
では見ていきましょう!
航空法第73条の2(機長の出発前確認事項)
機長は国土交通省令で定めるところにより、航空機の航行に支障がないことその他必要な準備が整ったことを確認した後でなければ、航空機を出発させてはならない。
具体的には
航空法施行規則第164の15
- 1.法第73の2の規定により機長が確認しなければならない事項は次に掲げる通り
- 一.当該航空機及びこれに装備すべきものの整備状況
- 二.離陸重量、着陸重量、重心位置および重量分布
- 三.法99条の規定により国土交通大臣の提供する情報(航空情報)
- 四.燃料および滑油の搭載量およびその品質
- 五.当該航行に必要な気象情報
- 六.積載物の安全性
- 2.機長は前項第一号に掲げる事項を確認する場合において航空日誌その他整備に関する記録の点検、航空機の外部点検及び発動機の地上試運転その他航空機の作動点検を行わなければならない。
となっています。まあこれを読んでわかる人はすでに運用者ですね。
簡単に説明すると
- 整備が状況や外部の状況が大丈夫か?
- 重量や重心位置などが飛行する上で問題ないか?離着陸可能な滑走路距離か?
- 地上障害物や他機などはどの辺にあるのか?
- 搭載されている燃料でどこまでいけるのか?また燃料と滑油は問題ないものか?
- 天気はどうか?
- 爆発物や危険物はないか?
- エンジンや機体が正常に作動するか?
といった確認をした後に
やっと空を飛ぶことを許されるのです。
なぜこれをしないといけないかというと
怠ると【安全】に直結する内容だからです!
パイロットは空を飛ぶ前の準備でその日のフライトの出来が決まると言われています。
最初のうちは
この準備だけでも終わるころにはヘトヘトです💦
頭が真っ白になるタイミング
頭が真っ白になるタイミングは2回あります。
①エンジンを着けた瞬間
②上空に上がってから
①まずはエンジンを掛けた瞬間です。
これは聞いたことのある人もいるでしょう!
航大ではエンジンを掛けて離陸から着陸をするまでの手順(すべて行うのに30分近くかかる)をすべて覚えてから機内に乗り込みます。まるで呪文のように手順をこなしていきます。
そうした状況でエンジンを点火させる瞬間。。。
ドッドッドッドッドッドッドッ!!
300馬力の轟音が体に響きます。
そして次の手順が出てこなくなります。
例としてあげるなら
英単語を300個順番に覚えてから200単語目で、スピーカ音量最大で続けてみるといった感じでしょうか?
これは本当にびっくりするくらいの経験です。
②上空に上がってから
続いて上空に上がってからです。
これは①と同様でエンジンの轟音によるもの
と上空に上がると酸素を薄くなる・飛行機が安定して飛ばない・無線も突然飛んでくる
といった要素が絡んできます。他にもいろいろな要素がありますが。。。
もう頭真っ白で何を考えているのか?(何も考えられない。。)
一体どこにいるのか?もわからなくなってしまいます。
具体的な例がYoutubeに上がっているので見てみましょう!
6分くらいから参考になります。
因みに宮崎フライト課程なのでかなり仕上がってきてはいますが足し算や位置確認など、地上では考えられないような知能低下になっています。
ナレーションは煽っていますが(笑)実際に空に飛ぶとこれに近い形になることがほとんどでした。
しかし
ここにこそ訓練をする意味があるのです!!
実際に訓練の初期課程などは頭が真っ白にならない人はいないというほど
皆がこんな感じになります。
自分が頭真っ白になっていることを訓練で克服し、どのような状況にも慌てない人になるために訓練生は日々鍛錬を積んでいくのです。
あとは空酔いも訓練を阻むものとして我々を苦しめてきます。
まとめ
頭が真っ白になるのは当たり前
その状況を訓練で乗り越えてこそのパイロットなのです!!
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